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2025/08/17

ふくしまの食相談センター メールマガジンVol.33

【お知らせ】:第2回視察会のご案内(2025年9月13日予定)

―東日本大震災・原子力災害「伝承館」と震災遺構「請戸小学校」周辺―

【今月のテーマ】: 福島第一原子力発電所視察会に参加して(2025年7月4日)

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【第2回視察会のご案内】

2025年9月13日(土)第2回視察会を開催します。

今回は東日本大震災・原子力災害「伝承館」と震災遺構「請戸小学校」、柴栄水産@請戸港、浅野撚糸 *タオル工場・KEY’S CAFÉ福島を視察します。詳しくは添付資料をご覧ください。

第2回視察会の案内書はここちら

参加を希望される方は、fukushima@zenso.or.jpまで、氏名、ご所属、電話番号を添えてお申込みください。(締め切り:8月31日)

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【福島第一原子力発電所視察会に参加して(2025年7月4日)】

「ふくしまの食相談センター」では、当センターのメンバーおよび全国消費生活相談員協会の会員が福島第一原子力発電所の現状を知り、「ふくしまの食相談センター」の活動にいかすため定期的に原発および関連施設の視察会を実施しています。

私は2022年9月に福島第一原子力発電所の視察会に参加したことがきっかけとなり、原発の今後のこと、またその後の福島という地域の現状を知りたいと思い「ふくしまの食相談センター」のメンバーに加えていただきましたが、今回は約3年ぶりに福島第一原子力発電所を訪れました。以前の視察の時との大きな違いは、この3年間に燃料デブリの取り出しが2回(2024年11月、2025年4月)おこなわれたこと、そしてALPS処理水の海洋放出が12回(2023年度4回、2024年度7回、2025年度1回*全7回予定)実施されたことです。今回はその違いも自身の目で確かめたいと思い参加しました。

視察会ではまず廃炉資料館を訪れました。館内では2011年3月11日福島第一原子力発電所で何が起こったのかが映像で再現されており、地震によって発生した津波により電源が喪失し制御不可能な状態に陥ったこと、また放射能汚染の危険にさらされながらも作業員が電源復旧に向けて緊迫した状況の中で必死に作業をおこなった様子がリアルに伝わってきました。

午後からはいよいよ発電所構内の視察です。発電所に向かうバスの車窓から見た景色は、前回よりも町に活気が出てきたという印象を受けました。東京電力の方からも「町内唯一のガソリンスタンドが営業再開した」との話があり、一時は途絶えてしまった人々の生活が徐々に戻りつつあることを実感しました。

発電所構内の視察では参加者全員が個人線量計を付けて専用バスに乗り、発電所の敷地内を事故のあった現場に向かうにつれて、バス内の放射線量表示の数値が上がりましたが、人体に影響のない数値との説明がありました。そしていよいよ1号機から4号機を見下ろすブルーデッキでの降車です。3年前と比較して廃炉作業のために原子炉建屋を覆う屋根などができているのは目に見える変化でしたが、一方まだ手のついていない場所も多く、廃炉までの道のりはまだまだ先が長いことを思い知らされました。

その後、ALPS処理水を放出する設備を見ることができるグリーンデッキで降車しました。当日は放出されていませんでしたが、処理水放出の仕組みについて、実際の放出は海底の放水トンネルを使って約1キロ先でおこなわれることや動力を使わないで放出していること等の説明がありました。処理水の放出は2023年8月以降、今年の4月までで12回おこなわれていますが、毎回約7,800㎥ほどの処理水を放出しても、ALPS処理水等の貯蔵量はこれまでにわずか4%程度の低減にすぎません。先日、処理水の放出が始まってから日本の水産物の輸入を禁止していた中国が日本の一部地域を除いては輸入を再開するとの報道がありましたが、福島県をはじめとする地域の水産物の輸入は禁止されたままであり、こちらも道半ばであることを実感しました。

今回の視察を通じて感じたのは着実に廃炉への道を歩んでいる一方で、最難関である燃料デブリの取り出しやALPS処理水の放出を含めて廃炉への道のりはまだまだ遠いということです。しかし今後も愚直に廃炉への道を歩む必要があり、私自身も今後の経過を見守っていきたいと思います。

このところ「再生エネルギー」である太陽光発電や水力発電が注目されていますが、コスト面からも一挙に転換することは困難です。今後日本がエネルギーの供給手段として原子力をどのように位置づけるのか、福島第一原子力発電所の廃炉への道と合わせて国のエネルギー政策にも注視していきたいと思います。

☆原子炉建屋前(1-4号機)           ☆ALPS処理水放出先(5-6号機沖)

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【編集後記】

今年度は、福島第一原子力発電所の現地視察会は1回のみですが、2026年2月6日と26日に、オンラインでの福島第一原子力発電所視察会を行います。初めての試みですが、ご自宅から視察できますので、初めての方はぜひご参加ください。また、11月7日(金)に、中間貯蔵施設等の第3回視察会も企画しました。詳細については、メルマガでご案内いたします。次回のメルマガは、8月末「ふくしまの美味しい桃」をテーマにお届けします。

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