長い冬が終わり、4月から5月にかけて福島は春一色に染まります。
福島県には、岐阜県の「根尾谷淡墨桜」、山梨県の「山高神代桜」とならぶ、日本三大桜の一つ、
樹齢1000年を超える国内最大級のベニシダレザクラの「三春滝桜」があります。他にも、70種類ともい
われる色鮮やかで多彩な花々が山全体を覆いつくす、福島市の「花見川公園」やお城周辺が桜で埋め
尽くされる、会津若松市の「鶴ヶ城公園」など、花の名所が多くあります。
春爛漫の福島を散策すれば、心身ともにリラックスできることでしょう。福島の春をぜひお楽しみください。
今月のテーマは、「地鶏」です。
1.福島の地鶏をご紹介 地鶏のおいしさ再発見!
福島県は、県のブランド認証産品である「会津地鶏」や「川俣シャモ」に加え、「伊達鶏」がいる鶏王国
です。川俣シャモは、適度な歯ごたえと噛むほどにその美味しさが広がります。飼育においては、専用飼料
とEMボカシ(乳酸菌等の善玉菌)を与え、また、運動場を設けるなど飼育環境の良化を図り、ストレス
のない飼育により、伸び伸びと健康的に育てられています。
会津地鶏は、平家の落人が愛玩用として会津地方に持ち込んだものが継承されたといわれています。会津の隆盛と戊辰の役などの悲哀の歴史に登場し、不思議な出会いをもつストーリー性の高い産品です。肉の特徴は、適度に歯ごたえがあり、脂がのってコク・旨味に優れています。また、鶏特有の臭みも少なく、和風・洋風を問わずどん
な料理にも合います。
★知っておきたいミニ知識 ― 「地鶏」の基準は? ―
現在、国産肉用鶏の生産は、肉用若鶏(ブロイラー)が大部分を占めていますが、近年では、地域の特徴を活かしつつ、ブロイラーよりも付加価値の高い肉質等を重視して改良した「地鶏」が生産されるようになってきました。地鶏は、国産肉用鶏の1%程度です。JAS規格では、特色ある生産方法の基準として、「地鶏」を次の通り規定しています。
① 素雛は、在来種由来血液百分率が50%以上のものであって、出生の証明ができるものを使用していること
② 飼育期間は、ふ化日から75日間以上飼育していること
③ 飼育方法は、28日齢以降平飼いで飼育していること
④ 飼育密度は、28日齢以降1平方メートル(m 2)当たり10羽以下で飼育していること
農林水産省『地鶏肉の日本農林規格』平成27年6月改訂より
2.安心安全への取組 飼料中の放射性物質の暫定許容値
家畜には、飼料として穀物やその副産物などが与えられています。畜産物に含まれる放射性物質は、
主に家畜の食べる飼料に由来することから、安全な畜産物を生産・供給するためには、出荷される畜産
物に含まれる放射性物質が基準値を超えることのないように、飼料中の放射性セシウムを抑制する必要
があります。
このため、飼料から畜産物へ放射性セシウムがどのように移行するのかといったこれまでに実施した試験
データなどを活用して、右のとおり飼料を与える家畜の種類ごとに、飼料中の放射性セシウム濃度の目安
(暫定許容値)を定め、この目安を超える飼料を給与しないように管理を行っています。
- 飼料中の暫定許容値
牛、馬用飼料 | 100Bq(ベクレル)/kg |
豚用飼料 | 80Bq/kg |
家きん(鳥)用飼料 | 160Bq/kg |
養殖魚用飼料 | 40Bq/kg |
3.農林水産物のモニタリング結果 鶏肉のモニタリング検査結果
鶏肉のモニタリング検査結果は、これまでに基準値の超過はありません。
■編集後記 食べてびっくり!会津地鶏って本当においしい!
なかなか入手しにくい会津地鶏ですが、ネットで調べたところ「会津地鶏總本店」さんが、モモ肉とむね
肉のお試しパックを千円で販売していました。お試しとはいえ、送料を含め計2,100円と結構高い・・・。
でも、ブロイラーの2~3倍の日齢(ブロイラーは約50日、会津地鶏は約100日から140日)をかけ
て大切に育てていることを知り、お取り寄せをして貴重なお肉をいただくことにしました。
冷凍で届くのですが、まず感じたことは、「見た目がきれい」。肉の繊維が整っていて色味がよく、肉質がい
かにも良い感じです。私は、冷蔵庫でゆっくり解凍し、むね肉は鶏ステーキ、モモ肉は唐揚げにし、甘酢あん
を掛けていただきました。味ですか?・・・おいしいに決まっています!!
①鶏ステーキ(むね肉で)
1.肉に塩、コショウを振る。
2.フライパンを温めサラダ油を少量ひき、皮目をしたにして肉を弱火で焼く。
3.下から半分くらい色が変わり、皮がパリッとなったら裏返す。
4.下からも火が通り、肉の赤身が見えなくなったら出来上がり。
(とにかく弱火で。じっくり我慢して火を通しすぎないように焼き上げる。皮の脂が美味しい!肉もかみ
しめる程にうま味が出ます。柚子胡椒でいただくとなお美味!)
②から揚げー甘酢あんを添えて(モモ肉で)
1.醤油、酒、しょうが汁を混ぜた中に、カットした肉を5分程度漬ける。
2.肉に片栗粉をまんべんなくまぶし、最初は低温の油であげ、色がついた程度で引きあげ、3分程度
そのままで置いて、その後高温の油でサッと揚げ、きつね色になったら引き上げる。
3.お手軽甘酢あん・・・耐熱容器にケチャップ、砂糖、醤油、酢各大さじ1、水溶き片栗粉(水大さじ2に片栗粉小さじ1)を加え混ぜ合わせる。軽くラップをして電子レンジ(600w)で1分加熱する。(パリッと揚がった鶏から揚げに甘酢あんをサッとかけ、青ネギとゴマ、好みで輪切り唐辛子をかける。地鶏のうま味が、口いっぱいに広がって本当に美味しい!!)
ぜひお試しください!