今月のテーマ:『常磐もの』
1.旬の食情報
2.安全・安心への取り組み
3.農林水産物のモニタリング検査結果
4.相談員からのメッセージ
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【視察会のご案内】
・10月11日(水)「福島第一原子力発電所」 視察会を行います。
※今回は、構内全般コースで実施します。海洋生物飼育試験の様子も見学する予定です。
皆さまには先日ご案内させていただきましたが、詳しくは添付資料をご覧ください。参加を希望される方は、fukushima@zenso.or.jp までご連絡ください。(締め切り:9月20日)
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1.旬の食情報
☆ふくしまの『常磐もの』とは
寒流と暖流がぶつかる海の境、それを『潮目』といいます。太平洋側の海で潮目が生まれるのが、福島県沖です。そこには豊富なプランクトンが発生し、それを目当てに小魚が群がり、さらに小魚を餌にする大型魚が集まります。流れの速い海に集まる豊富な魚種、身が引き締まり、味のいい魚の宝庫です。築地市場(豊洲市場)では古くから『常磐もの』と言われ、高値のつくブランド魚です。
☆秋から冬、旬のふくしま常磐もの!―ヒラメ・アンコウ・ズワイガニ―
ヒラメは、お造りはもちろんですが、どんな調理にも合う魚です。定番、アンコウはやはり鍋で、丸ごとうまさが味わえる魚です。冬の一番人気はズワイガニで、刺身でも鍋でも絶品です。
◆福島 常磐ものナビ
https://fukushima-jobanmono.jp/
◆ぜっぴん! ふくしま常磐もの
https://www.zeppinjyobanmono.com/seasonalfish-aw/
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2.安全安心への取組
☆漁協が行う自主検査
安心して食べていただくための自主検査で、水揚げ日毎に、各市場で実施しています。25ベクレル/kgを超えた場合は、県試験研究機関(水産海洋研究センター、水産資源研究所)において精密検査を行います。なお、国による出荷制限の基準は100ベクレル/kgですが、福島県漁業協同組合連合会の出荷方針は50ベクレル/kgを自主基準としています。これは、100ベクレル/kgを超える魚介類を出荷しないために設定されたものです。
◆ぜっぴん! ふくしま常磐もの -検査体制―
https://www.zeppinjyobanmono.com/inspection/
☆ぜっぴん! ふくしま常磐もの -高付加価値化の取り組み―
MEL認証は環境や水産資源に配慮した、持続的な漁業を行っている事業者を認証する制度で、「水産エコラベル」と呼ばれ、東京五輪でも持続可能性に配慮した食材調達基準の一つになりました。これまでにMEL認証を取得したのは、漁業ではマサバ・カツオまき網漁とシラス船びき漁。養殖ではヒトエグサとニジマス。流通加工ではマサバ・カツオ・シラス・ビンナガマグロ等となっています。「水産エコラベル」を付けて福島県産水産物を流通させることで、市場価値の向上や販路の拡大に繋がることが期待されます。
◆日本水産資源保護協会 -認証受付状況と認証実績-
https://www.fish-jfrca.jp/04/progress_and_results.html
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3.農林水産物のモニタリング検査結果
福島県では、農林水産物の放射性物質のモニタリング検査の結果を速やかにホームページで公開しています。8月末に公表された魚介類の放射線モニタリング検査は、令和5年8月に採取された検体数は162検体、全ての検体において、放射性セシウムは検出されませんでした。
◆水産海洋研究センターHP 魚介類の放射線モニタリング検査に関する結果
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal-old/monitoring.html
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/592833.pdf
また、8月24日から開始した東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水の海洋放出において、トリチウムを中心とした拡散状況や海洋生物の状況について環境省・水産庁・福島県・東京電力が海水、魚類、海藻類のモニタリングを強化していますが、各機関の測定結果において人や環境への影響が無い事が確認されています。
◆東京電力HP 各機関の迅速測定結果
https://www.tepco.co.jp/decommission/progress/watertreatment/images/20230911.pdf
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4.相談員のメッセージ
福島で四季ごとに獲れる美味しい魚介類『磐城もの』。アジ、サバ、イカなど私たちの食卓によく登場する魚はもちろん、ヒラメ、アンコウ、ズワイガニなど、秋から冬に向けて、白身の魚とともにおいしい魚介類がたくさん水揚げされます。水揚げされた魚を、おいしいまま届けるために最新の水産設備や技術を使います。新鮮さを保つための処理方法の一つとして「神経締め」があり、新鮮な『磐城もの』として食べることができます。また、福島の魚の普及のため、干物や地元料理法で調理した加工食品の開発もすすめられています。
一番のおすすめはいわきの地元でしか食べられない絶品「メヒカリの炙り寿司」です。メヒカリの旬は12月から4月、いわきに行ったら、ぜひご賞味ください。もちろんメヒカリの唐揚げも絶品です。
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【編集後記】
8月24日、東京電力福島第一原子力発電所においてALPS処理水の海洋放出が始まりました。これまでに原子力規制庁の検査や国際原子力機関(IAEA)による報告書等で「海洋放出による人及び環境への放射線の影響は無視できるもの」とされていますが、海洋放出による風評被害が懸念されることから、私たちも正確で分かりやすい情報発信を続けていきたいと考えています。
折しも、8月30日、31日、福島市で開催された「環境放射能除染学会」に私たちも企画展で参加しました。3月に開催した「高校生から学ぶ、ふくしまのいまとこれから」の交流会ポスターを紹介し、大変興味を持っていただきました。