今月のテーマ:「茨城県の水産物」
- 茨城県について
- 茨城県の水産業の特徴
- 安全・安心への取り組み
- 茨城県の水産加工優良推奨品制度
- 相談員からのメッセージ
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【視察会のご案内】
・10月11日(水)「福島第一原子力発電所」 視察会を行います。
※今回は、構内全般コースで実施します。海洋生物飼育試験の様子も見学する予定です。
詳しくは次回(9月)のメルマガでご案内いたしますので、ぜひご参加下さい。
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1.茨城県について
茨城県は、関東の北東に位置し、東は太平洋、北に福島県、西は栃木県に接し、南は利根川が千葉県と埼玉県との県境になっています。県北部は阿武隈山地に連なる山岳地帯で那賀川・久慈川が流れ、南部は筑波山や霞ケ浦、利根川水系が広がり自然が豊かです。このような地理的要因から太平洋気候と内陸側気候が入り混じって、夏は高温多湿、冬は山地で降雪が見られる一方、平野部では北西の季節風が吹く傾向にあります。
産業に目を転じると、農地として利用できる平野が多いこともあり、日本有数の農業生産県であるとともに、太平洋沿岸には多くの漁港があることから水産県でもあります。また首都圏に近いため工業も盛んで、先端技術を有する企業が多く立地しています。
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2.茨城県の水産業の特徴
茨城県には沖合に親潮と黒潮がぶつかって形成される豊かな漁場があり、沿岸は海水と沿岸水が混じりあうことで、沖合、沿岸ともに豊かな漁場を有しています。また霞ケ浦、北浦、涸沼などの湖や沼、利根川、久慈川、那賀川などの河川も豊かな漁場として知られています。
中でも、沖合漁業のマイワシやサバ類の漁獲量は全国でトップクラスです。令和4年度のマイワシの水揚げ量は日本一位で日本全体の漁獲量のほぼ30%を占めているほどです。
沿岸漁業では船びき網や底びき網漁で、シラス・サヨリ・イカナゴ・ヒラメ・カレイ・イカなどが、貝けた網漁ではハマグリ・ホッキ貝などが水揚げされています。
◆茨城県 茨城の水産
https://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/kasui/shinko/ibarakino-suisan.html
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3.安心・安全への取組み
茨城県では福島第一原子力発電所の事故発生直後から国の定める食品の出荷制限や検査計画に基づき、一時的な出荷制限や定期的な水産物の放射性物質のモニタリング検査を行ってきました。
県の検査でセシウムの基準値が100Bq/kgの基準値を超えた魚種は、出荷・販売を自粛しました。
現在も定期的にモニタリング検査を行っており、検査結果を県のHPで公表しています。現状として出荷・販売等の規制を受けている水産物はありません。
◆茨城県 本県水産物に係る放射能関係情報https://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/gyosei/chosei/houshanou/index.html
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4. 茨城県の水産加工優良推奨品制度
茨城県水産物開発普及協会は、茨城県、関係市町村、水産加工業協同組合連合会、水産加工業協同組合が水産加工業の振興を図ることを目的として昭和62年に設立されました。
同協会では茨城県で生産されている水産加工品の中から優れた製品を選定し、消費者が水産加工品を安心して購入できるように推奨マークを添付して販売し、消費の拡大と地域の活性化を図っています。また、茨城県水産製品品評会の開催や各種イベントへの参加等、水産物の消費拡大、魚食の普及・啓発活動を行っています。
◆茨城県水産物開発普及協会 いばらきのさかなと加工品
https://www.ibaraki-sakana.jp/
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5.相談員からのメッセージ
皆さんは茨城県の県魚をご存じですか?答えは、ヒラメです。ヒラメの旬は冬で、「寒びらめ」と言われるように冬の冷たい海の中で肉厚となり、豊富な餌を食べて脂質の量が最大になる冬(12月~2月)が美味しい季節です。うま味の中心となるイノシン酸が豊富なため、淡泊でありながらも濃厚な味わいが特徴です。一方、漁獲量の多いイワシやサバはたんぱく質を多く含むことは勿論ですが、動脈硬化や心筋梗塞の予防に役立つオメガ3脂肪酸(DHAとEPA)、ビタミンB群、ビタミンDなどが豊富に含まれています。どこの店でも買えて、購入しやすい価格帯の魚ですから意識して献立に加えていきたいものです。
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【編集後記】
私は鮮魚店やスーパーで買い物をする折に茨城県の魚介類を意識して購入したことはありませんでした。旅行先の大洗で食べた新鮮なお刺身、あんこう鍋、大粒のしじみなどが茨城県の魚介類にいだいていた数少ない印象でしたが、調べてみると実際は日本有数の水産県でした。これからは、もっと茨城県の魚介類を意識して商品選びをしてみようと思います。