【ご案内】
ふくしまの食相談センターでは、2023年3月17日(金)13:00~16:00、品川区総合区民会館きゅりあん7階イベント会場で「高校生から学ぶ ふくしまの今とこれから」と題して、福島県内の高等学校の、地域に根を張った活動を高校生自身からご紹介いただき、交流するための集いを開催します。皆様ふるってご参加ください。
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今月のテーマ: なめこ、ほんしめじ
1.旬の食情報 なめこ、ほんしめじ
2.安全・安心への取り組み
3.農林水産物のモニタリング検査結果 ナメコ、ホンシメジ
4.相談員からのメッセージ
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1.旬の食情報 なめこ、ほんしめじ
今月は福島県が誇る、2種類のきのこをご紹介します。
☆なめこ
味噌汁に欠かせない食材のなめこですが、元は高級食材でした。なめこが気軽に家庭で味わえるようになったのは、福島県で世界初の栽培実験が行われ、県が開発した栽培方法と品種が全国に普及した結果です。日本国内で年間約2万トンが生産されており、福島県の生産量は全国で4位です(令和2年度)。99%は菌床栽培によって生産されています。
福島県では、低温栽培を取り入れたり、長期栽培で育てたり、香りを強める木材を菌床に混ぜたりするなどの生産者の工夫により、品種特性から栽培方法、サイズの大小まで、個性豊かななめこが味わえます。中でも「本来の天然なめこの再現」をコンセプトに福島県林業研究センターがオリジナル品種として開発した「福島N3号」、「福島N4号」は、なめこ本来の風味と味の濃さが最大の特徴で、どんな料理にも合うと人気です。
☆ほんしめじ
「香り松茸、味しめじ」と言われるしめじは、「ほんしめじ」のことです。
しめじと聞くと、スーパーマーケットの野菜売り場で一年中販売している「ぶなしめじ」のことを思い浮かべますが、ほんしめじとは種類が違います。
「ふくふくしめじ」は、福島県が日本で初めて自然栽培に成功した福島県オリジナル品種です。大型で味と香りが良く、身がしまり、歯切れ・舌触りが良く、噛むほどにきのこの繊維がほどけます。旨味成分を分析したところ、他のきのこに比べ、グルタミン酸やアスパラギン酸の含有率が多いことが判明しました。
◆福島県 ふくしまプライド。 なめこ
https://fukushima-pride.com/products/nameko.php
◆福島県 ふくしまプライド。ストーリーVol.17 20年かけて、野生の味わいを再現!
https://fukushima-pride.com/story/17/
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2.安全・安心への取り組み
栽培管理が困難な野生のきのこ類は、放射性物質を比較的多く取り込みやすいことがわかっていますが、基準値を超えるものが流通しないよう、各自治体が生産者や直売所等に対し、出荷制限区域や検査結果等の情報提供を行っています。
一方、原木や菌床で栽培されるきのこは、安全な原木の確保や簡易ハウス等の導入、ガイドラインに沿った栽培管理などの安全対策を施し、基準値を超えるものはありません。
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3.農林水産物のモニタリング結果 ナメコ、ホンシメジ
福島県では、食品中の放射性物質のモニタリング検査の結果を速やかにホームページで公開しています。令和4年4月1日から令和5年2月27日までの間に検査された「ナメコ(腐生菌)」の検査数は6件、「ホンシメジ(菌根菌)」の検査数は3件で、いずれも基準値(100Bq/kg)を超えるものはありませんでした。
◆福島県 農林水産物・加工食品モニタリング情報
https://www.new-fukushima.jp/result
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4.相談員からのメッセージ
・なめこは、水溶性植物繊維が多く含まれており、ビタミンやミネラル、β-グルカンなどを豊富に含み、健康と美容に良い食材です。定番の味噌汁やなめこおろしの外、天ぷらやピザ、麻婆豆腐など和洋中、様々な料理に使えます。なめこは日持ちがしないので、なるべく早く使い切りましょう。
・ほんしめじを使った調理例として、和食なら汁物、網焼き、雑炊、洋食ではパスタ、グラタン、ソテー、中華ではスープ、炒め物、点心などがおすすめです。
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【編集後記】
最近、近くのスーパーマーケットであんぽ柿を目にしたので思わず手に取りました。
あんぽ柿についてはメールマガジンVol.15に掲載されましたが、ぽってりと大きくて鮮やかなオレンジ色、表面はしっとり、中はゼリー状で羊羹のような甘さと柔らかさで和菓子のようでした。干し柿は産地により様々ですが、福島のあんぽ柿は本当に食べる芸術品です。
震災後は厳しい検査や出荷制限を乗り越えて、東京で販売していると考えると、感無量、本当にありがたい気持ちでいっぱいになります。